2011年01月26日 視覚障害者の就労
_ 盲人用時計
仕事で、西欧線に乗って橋本駅(神奈川県)までいった。視覚障害者の就労問題について少し話す。
鍼灸マッサージ業に就く人の割合が高いが、この業種に晴眼者の参入が増えてきていて、厳しい競争の中に置かれていること。
一方、それ以外の事務的な仕事等での仕事が十分には開拓されていないこと。パソコン利用によって、紙の文書が中心だったころに比べると視覚障害者が事務をやりやすくなったのは確かなのだが。
企業対象の調査で「雇用が難しいと思う障害種類」の上位に視覚障害が回答されるが(調査によっては1位)、どう理解してもらうか、障害当事者と就労支援者にとって大きな課題。
視覚障害者のパソコン利用等に関する訓練のノウハウの開発・集積・共有、それと訓練を行える施設の数が不十分なこと。
視覚障害者が従事する事務的な仕事の例にどんなものがあるか。
そんな話をしたが、休憩時間、私の腕時計に興味を示す人がいたので回覧。
音声で知らせるタイプでなく、蓋をあけて針を触れるようになっているもの。秒針はない。「時」と「分」の針の2本。
音声のものだと、静かな場所や会議の最中などに聴きにくいことがあるので、未だに触覚式の時計を使ってる。
「そろそろ休憩にするころでは?」と思って時計を触ったところ、それを見ていた人が興味を示したという次第。
私には当たり前になってる品物だけど、もっとそうしたグッズを活用して話をした方がよかったかな、と少々反省。
聴いてる側には、かなり退屈な話だったかも。
「私の話を早くおわらせるのなら、時計の針を進めておいて下さい。」といったら、笑いをとれたのでちょっと掬い。
_ 障害を理解してもらう
「障害を理解してもらう必要がある。」とは多くの人が言うことだが、何かを題材にして、共同作業する中で理解のきっかけを設ける、というのはできないものかと思う。
事例を示したり、働く現場や訓練現場を見学してもらったりするのも、もちろん大切。
ただ、通過型の観光も大事だけれども、滞在型、交流型も行えれば、というのと似ていて、「理解を求める」だけでなく、「一緒にやる」ことで一歩前に、というのはできないものか。
例えば、視覚障害者のパソコン活用ノウハウの更なる開発は、視覚障害の世界にどっぷりつかっている人だけでやるより、それを知らない人(でもパソコンの専門ノウハウのある人)と交流した方が、前進のきっかけになるような気がする。
企業や行政やらを巻き込んで、そんな共同作業をやる中でお互いに理解できれば、と思うのだが。
何か良い案はないものだろうか。