2011年01月17日 経済のグローバル化は昔もあった?
_ 昔の農村のグローバライゼーション
昨日(2011/01/16) 20:00 からラジオNHK第2放送「カルチャーラジオ」を聴いていたら、群馬県上野村と東京世田谷区に住居を持つ大学の先生の講演をやっていた。
上野村の辺りには田圃のない村がいくつかあるが、明治のころ、それなりに余裕のある生活ができていたという。
支えになっていたのが生糸生産。生糸は、西洋への輸出品で、日本のものは高品質だったため、上流層女性のストッキングの素材として高値で売れた様子。
農村は、けっしてローカルな孤立した存在ではなく、グローバルに結びついていたと聞いて興味深かった。
それが近代化の波の中で、より競争力のある都市での生産に移転し、農村の国際的・国内的他地域との経済的つながりが弱まっていってしまったということらしい。
それから、湯治場の宿屋さんの宿泊費が安く、とても儲かりそうにないが、地元の人に「儲からなくていいんだ。」と教えられた話も、おもしろかった。
湯治場で長く泊まる人たちは、新しい情報(産業・技術等を含む)の伝達者で、それも一方的なものでなく、お互いに情報交換し合う場になっており、地域の活力の源泉になっていた。
観光のように単に通過していく客とは違うので、宿泊費で儲けるという発想でやっていたわけではない。
地域活性化に向けて観光が着目されたりするが、通過型でなく交流型が実現できれば、確かにおもしろそう。