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ジタバタ日記


2011年06月11日 分散

_ 発電所の分散

近ごろ、分散というのが気になる。

東日本大震災以後、原子力発電所のトラブルを契機に、発電設備を分散した方がいいとの議論が多い。

分散すると、当然ながらリスクの分散につながる。1ヶ所がトラブルを起こしても全体が被るダメージは抑制される。

「一極集中の方がコスト安」という議論にも異論が多い。「リスク対応コストを入れてなかったためコスト安と思われただけで、何かあると、けっしてコスト安と言えないことが明らかになった。」ということだろう。

しかし、どの程度 分散するのがいいのか、どんな分散をするのがいいか、よく分からない。

各戸ごとに太陽光パネルや風車を設置するのは、究極の分散といえるだろうか。しかし、そのメンテナンスをそれぞれの家の持ち主が全部負担するとなると、どうなんだろう?と思わなくはない。

電力会社が小規模発電所をいろんな地域に設ける場合も、その保守費用、設置に係る様々な交渉ごとなどをどう考えるか。

例えば、ドイツでは風車が多く活用されているらしいが、騒音問題等で地域の了解を得られず、陸地における設置は限界に近いと聞いた。

ついでながら、太陽光パネルは、政府が補助金支給や電力買入れに力を入れたが、発電力全体に占める比率は伸びていないとのこと。効率が悪いらしい。

ともあれ、分散した方がいいという議論は、今の時流、説得力があるものの、どんな分散がいいのかがなかなか見えてこない。説得力があるということと、妥当かどうかということとは違う。

漠然とした根拠のないものではあるが、集中管理と分散、おそらくその中庸がいいんだろうなという感じがする。

_ クラウド

話は違うが、最近よく聞くクラウド。これは分散に逆行するものではないんだろうか?

処理対象のデータだけでなく、それを扱うためのアプリケーションも向こう側に置く。手元にはネットワークに接続できる端末があればいい。

職場であれ自宅であれ、どこにいてもデータなどを共有できて便利。細かなことは分からないが、要するにそんなイメージではないんだろうか。

だとすれば、例えば、グーグルのクラウドサービスだけで総てをまかなうことのリスクは、かなり高い。

クラウドをちゃんと理解した上で書いているわけではないので的外れかもしれないが、なんだか気になる。

_ ネットワーク

分散を考えるとき、ただ分散すればいいということではない。分散したものをどうつなげるか、ネットワークをどう構築するかも重要。

電力でいえば、送電網をどうするか。発電設備を分散したとしても、送電網の管理がどうなっているかで、リスク回避の状況が違ってくる。そういう話は、あまり聞こえてこないように思うが、問題になるような事柄ではないんだろうか。

また話は飛ぶが、生物の細胞というのは、どんなふうにネットワークを組んでいるんだろう。

膨大な量の細胞が植物や動物を構成し、一定のパターン(動的平衡)を保っている。

どこかが司令塔になっているわけではなく、各々が役割を担ってネットワークを組んでいる。いったい、これは何なんだろう?

ただの「ばらばら」ではない。というか、みごととしか言いようのない全体的調和。少なくともそう感じられる。

しかも、「行く川の流れ」のごとく、絶え間なく新陳代謝を繰り返している。

電力や通信の流れ(社会的事柄)の話と、生物の話をリンクして考えるのは、昔からよくありがちで、安直な連想、誤謬のネタだとは思うが、やはり連想し、生物の見事さに感嘆してしまう。

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